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クレジットカード支払停止

詐欺被害にあった場合、クレジットカード決済の問題が生じることがあります。
「出会い系詐欺に遭い、クレジットカード決済でポイントを購入してしまった」
「占い詐欺に遭い、クレジットカード決済でポイントを購入してしまった」
このような場合、「だまされて決済したクレジットカード代金を支払いたくない」と考えることは無理もありません。そこで役立つのが、クレジットカード支払停止の抗弁です。クレジットカード支払停止の抗弁が成立すれば、詐欺的商法にだまされてクレジットカード決済をしてしまった場合、クレジットカード会社に対してカード利用代金を支払わなくて済みます。
 

詐欺トラブルとクレジットカード

出会い系詐欺や占い詐欺などでは、ポイント代金の支払方法としてクレジットカード決済を利用することも多く、クレジットカード代金の支払いが問題になることがあります。
この場合、まずやらなければいけないのが、クレジットカード代金の口座引き落としを止めることです。損害の現実化を阻止するために、急いでクレジットカード会社に対してカード代金引き落としのストップをかける必要があります。
 

クレジットカードの取引の仕組み

ここで、クレジットカードを使った取引の仕組みについて確認しておきましょう。
クレジットカードを使った取引は次のような流れで進みます。

  • ①利用者がクレジットカードを利用して、販売者から商品やサービスを購入する
  • ②利用者の利用代金をクレジットカード会社が立て替え、販売者に支払う
  • ③後日、利用者はクレジットカード会社に利用した金額分のお金をまとめて支払う

このうち、支払停止は③のステップを止めるための手続きです。
 

支払停止の抗弁権とは

抗弁権とは、相手に請求を受けた場合に、一定の事由があることを理由に相手の請求を拒否できる権利のことをいいます。
そして、支払停止の抗弁権とは、その名の通り、クレジットカード会社への支払いを拒めるという権利です。
この抗弁権の存在により、購入した商品やサービスの販売者に問題があったなどの理由があった場合に、利用者はトラブルが解決されるまでクレジットカード会社への支払いを拒むことができます。
 

支払停止の抗弁権を行使できる場合

代金の引き落とし前であれば、支払停止の抗弁を主張することによってクレジットカード会社への支払いを拒否できます。
割賦販売法上法にもとづいて支払停止の抗弁権を行使するためには、次の要件をすべて満たすことが条件です。
 

販売業者に対して抗弁事由があること

販売業者に対して、一定の抗弁事由があることが必要です。

  • ・見本やカタログ等と異なる商品が実際には提供された
  • ・購入したはずの商品・サービスが提供されない
  • ・商品・サービスの提供が遅延して購入の目的を達成できなかった
  • ・商品・サービスに明らかな欠陥または隠れた欠陥がある
  • ・詐欺や脅迫、強要などによって契約を締結した
  • ・勘違いなどにより契約を締結した
  • ・クーリングオフに対応してくれない
  • ・その他販売業者に債務不履行がある

上記のような事情がある場合は、抗弁事由があるということができます。
 

リボ払いなどを利用していること

2ヶ月超え後払いもしくはリボ払い、いずれの方法で商品・サービスを購入している必要があります。
翌月1回払いで代金を支払った場合は割賦販売法の適用外、すなわち支払停止の抗弁権を主張できないので注意しましょう。
 

総支払額が4万円以上(リボ払いの場合は現金価格が3万8000円以上)

支払停止の抗弁権を行使するためには、取引の金額面についての条件を満たす必要があります。
総支払額が4万円未満、リボ払いの場合は現金価格が3万8000円未満の場合は対象外になります。
 

割賦販売法35条の3の60に該当しないこと

割賦販売法35条の3の60で定められた適用除外となる取引ではないことも必要な要件となります。
具体的には、事業や職務のために契約を締結した場合などです。
 

支払停止の抗弁を主張できる場合にやるべきこと

支払い停止の抗弁をクレジットカード会社に主張するための方法については特に決まりはありません。
内容証明郵便による通知書をクレジットカード会社に送付するなどの方法が考えられますが、自分では手続きを行うのが不安だという人もいるでしょう。その場合、弁護士等にアドバイスを求めましょう。
 

不安なことがあったら弁護士に

クレジットカード決済を利用した取引でトラブルに巻き込まれた場合やクレジットカードの不正利用被害にあった場合、状況によってはクレジットカード会社からの請求を止めたり、業者に返金を求めたりできることがあります。支払停止の抗弁以外にもチャージバックなどとりうる手段がありますので、まずは弁護士にご相談いただければと思います。

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