フリマアプリにブランドバッグを出品し取引成立したが、後日買い手から「偽物だったので返金してほしい」と連絡があった |悪質商法・詐欺被害のための弁護士市川巧特設サイト

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フリマアプリにブランドバッグを出品し取引成立したが、後日買い手から「偽物だったので返金してほしい」と連絡があった

フリマアプリでのトラブル

近年、本物のブランドバッグを発送したのに、到着後、買い手から連絡があり、「偽物であったから返金してほしい」と言われるトラブルが増加しています。返金に応じないと、執拗な連絡がきたり、「フリマアプリサイトに通報するので、最悪退会になりますよ」と脅迫めいたことを言ってくることがあります。多くの売り手は、怖くなったり根負けして、返金に応じます。このとき、売り手が発送したブランドバッグと同じ物を返品してもらえば、売買契約の合意解除となり、何の問題もありません。問題となるのは、売り手が発送した商品とは別の、偽物のブランドバッグを送ってくる、という事例です。これは、返金に応じた売り手が損をし、騙されているので、刑法上の詐欺に該当します。
なぜフリマアプリでこのような詐欺事件が多発しているかというと、個人間の取引というのが大きな理由です。消費者を保護する消費者契約法などは、一般の消費者と事業者間の取引の場合に適用されます。しかし、フリマアプリでの取引は個人同士の取引ですので、トラブルが生じても消費者契約法などは適用されず、利用者の自己責任となってしまいます。アプリの運営者側も、あくまで「個人間の取引の場を提供している」というスタンスですので、規約はあっても介入は最小限ですし、やりとりも利用者同士で行うことを基本としています。悪質なトラブルは、こういった仕組みを利用した手口が多いです。

被害にあってしまったら

刑法上の詐欺に該当するので、もちろん刑事告訴することも可能です。しかし、フリマアプリは匿名での利用が可能ですし、住所も秘匿して送ることができます。氏名・住所がないと、警察は捜査ができません。詐欺をするような加害者は氏名・住所を秘匿していることがほとんどですので、刑事告訴はほぼ不可能だといえます。
また、返品に応じてしまうと、加害者はフリマアプリを退会して行方をくらますことも多く、連絡すらつかなくなってしまうことがあります。
よって、怖くてとりあえず返品に応じようと思って返金をすると、犯人を捕まえることもお金が返ってくることもなく、ほぼ泣き寝入りすることになると思われます。
しかし、ほとんどのフリマアプリの規約では、返品に応じないのは規約違反であると規定されています。ただし、規約には「偽物を出品した場合は必ず返品に応じなければならない」と定められていて、本物を送ったのに必ず返品に応じなければならない、との規約はないはずです。
そこで、偽物であるから返品してほしい旨の連絡があったら、まず、本物であることを証明しましょう。
具体的には、商品を発送する前に、商品についているシリアルナンバーの写真の撮影をします。保証書がある場合は、忘れずに一緒に撮影をしましょう。それでも、発送の際は違うものにすり替えられたと言われる可能性がありますので、梱包箱に入っているところを写真に撮ることも有効です。可能ならば、梱包から発送までの動画撮影しておくと、それも証拠となります。それらの証拠がある旨を伝え、返品に応じかねる旨と、フリマアプリの運営者にもトラブルを報告する旨を伝えます。民法では、お互いの合意がある場合に、売買契約の解除(解約)ができる旨を定めています。よって、まずは買い手をきちんと話し合いをして、こちらに非がないことを伝えることが大前提です。同時に、運営者にも連絡をして報告をしておくことを忘れないようにしましょう。
その他には、個人間の取引であるので、買い手のプロフィールや過去の取引履歴、評価などを参考にして、取引を開始するか最初に判断しましょう。個人間の取引は、お互いの信用のみが頼りとなります。それを見極めて取引を開始する、という事前のチェックもトラブルの未然の防止につながります。

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